SDGsへの取組み

持続可能な未来の実現に向けて

当社グループは、長期的視野での社会課題解決を事業の根幹に据えています。創業当初より、確かな技術と専門的知見を有する多様かつ多才な人財の活用や、豊かな生活の実現のための総合コンサルティングをグローバルで行っており、これらはSDGsの目標と合致しています。これからもSDGsを能動的に自分たちのビジネスに組み込み、2030年に向けて、持続可能な世界を実現するための国際目標 SDGsの17の目標すべての達成に貢献していきます。

メッセージ ~SDGsとイノベーション~

先進国だけでなく新興国も含めて世界は今、持続的な社会の実現に向けて、ゼロエミッションやスマートシティの構築を目指しています。そうした動きを取り込んで、国連は持続可能な開発目標SDGsを推進しようとしています。あらためて当社グループの事業領域を見てみると、すでにSDGsが掲げる17の開発目標すべてに何らかの形で貢献していることがわかります。
中期経営計画「Building Resilience 2024」では、SDGsを能動的に自分たちのビジネスに組み込み、これを社内の共通言語として行動することを目指します。すなわち、世界の共通言語であるSDGsを当社グループ事業のプラットフォームとして日々の仕事に落とし込み、SDGsの開発目標にどう貢献していくのかを念頭に置き、よりよい提案を行っていくという宣言です。当社グループが携わるプロジェクトと17のゴール(課題)の関係を正確にとらえ、それぞれに関連する課題の解決に向けてわれわれの技術の結集を図っていくべきと考えます。こういった課題解決への貢献が、社会に向けた当社グループの価値創造であると考えています。
今後は、既存の枠組みを超え、社内外の技術や知見を融合させたオープンイノベーションを強力に推進していくことが必要になると考えています。オープンイノベーションを行いながら、当社グループの各事業会社が連携し、ワンストップ営業体制による多様な市場ニーズに対応できる営業基盤の構築を行い、その基盤を活かすことによって新たな顧客の獲得を目指します。

取締役
有元 龍一

すべての人々に尊厳のある生活を

「誰一人として取り残さない」というSDGsの基本理念に基づき、すべての人々が尊厳を持って生きることができるよう、食料・住環境・就労など開発途上国のさまざまな課題解決に向けた計画策定と事業の実施、プロジェクトマネジメントなどを通じて、持続的に生活を改善するための社会基盤・経済基盤の整備に貢献しています。また、それぞれの国・地域の特性を尊重した最適な技術や開発手法を提案し、持続可能な自律発展を目指した総合コンサルティングを行っています。

持続可能な地域・産業開発のために

当社グループは創業時から現在まで、発電所やダム、道路といったインフラ構築に加え、それを活用した地域産業の開発、現地技術者への技術移転などに取り組んでいます。さらに、人やモノ、地域の資源を活用したプロジェクトの実施により、雇用の創出や経済成長の実現など、持続的な地域の発展に貢献しています。

住み続けられるまちづくりを

土木と建築の両面からアプローチし、環境に配慮した総合的なソリューションを提供することで、豊かな都市空間づくりとレジリエンス向上を実現しています。防災分野においては、日本国内で培った治山・治水技術をもとに、海外での河川や土砂災害の防止、軽減・緩和策の提案、事業運営・管理のコンサルティング業務を行い、自然災害による人的・経済的損失を軽減し、人々の暮らしを守ることに貢献しています。

豊かな自然環境との共生のために

海洋汚染や森林荒廃の原因とそのメカニズムを解析し、改善に向けたインフラ整備や、森林・生物多様性保全・保護活動の手法の改善および適正化により、環境と調和した開発や豊かな自然を再生するための取組みを行っています。

クリーンエネルギー開発と活用の促進

地球温暖化防止に向けた低炭素社会の実現のため、水・風・太陽光など、その土地が持つ自然特性と社会の関わり方を深く理解し、世界各国で、自然と調和したクリーンなエネルギー開発やマネジメント、モニタリングを行っています。また、気候変動対策としては、二国間クレジット制度※1やREDDプラス※2、生態系サービスへの支払いに関連したビジネスモデルの構築、技術開発のほか、コンサルテーションも行っています。

  • ※1途上国への優れた低炭素技術などの普及を通じ、地球規模での温暖化対策に貢献し、同時に日本からの排出削減への貢献を適切に評価して、日本の削減目標の達成に活用する仕組み
  • ※2途上国における森林減少や劣化の抑制、持続可能な森林経営を促進するための取組み

医療・教育の普及

すべての人の暮らしを支える医療・教育の環境を整えるため、制度の導入や体制の整備、知識の共有化など幅広いコンサルティングを行い、改善に取り組んでいます。また、発展途上国の母子保健、基礎教育の基盤をハード・ソフトの両面からサポートしています。

ダイバーシティを力に変えて

160以上の国と地域で事業を展開する当社グループは、多様な社会的背景を持つ現地のビジネスパートナー、行政機関、専門家、コミュニティなどの多様なステークホルダーと連携・協業しています。また、平和構築、女性のエンパワーメントやジェンダー主流化、日系企業へのCSR・サステナビリティに関してもコンサルティング業務を行っています。さまざまな国と地域の社会・文化の多様性を力に変えて、パートナーシップを築き、SDGsの達成に貢献しています。

日本工営×SDGsの挑戦

SDGsに貢献する当社グループのプロジェクト

カンボジア国 鉄道リハビリテーション事業

1970年代の内戦時代に、鉄道インフラがことごとく破壊されたカンボジア。ポルポト政権時の内戦の影響や維持管理不足で荒廃したカンボジアの鉄道改修プロジェクトにおいて、日本工営はプノンペンを起点とするシハヌークビル港までの南線264km、タイ国境までの北線385kmを合わせた全長649kmの計画から施工監理までを行いました。
10年を超える支援の結果、カンボジア国内の都市を鉄道でつなぐだけでなく、45年ぶりにタイとの国境を越える運行を実現しました。また、内戦時に鉄道沿線に埋められた地雷を全て撤去し、約649haにわたる地域の安全環境整備に貢献しました。

定量実績 鉄道沿線649km/649haの安全環境整備
契約期間 2006年1月~2018年10月
主なSDGsターゲット 9.1 11.a 11.2 11.7 3.6
45年ぶりにシソポンからタイ国境へ向かう列車
列車の到着を喜ぶ人たち

インド国 レンガリ灌漑開発事業

インド国オディシャ州は水資源に恵まれ、灌漑可能面積は総耕地面積の90%と言われていますが、穀物の単位収量はインド全体の平均と比べて低く、灌漑開発による生産性向上が必要とされています。
このプロジェクトでは、同州ブラマニ川流域の灌漑面積および作付面積の拡大、水利組合の組織化や営農指導を実施します。日本工営は、グループ会社のNK Indiaとともに、灌漑施設建設にかかる技術的支援、組織化・営農指導の支援業務を行っています。灌漑事業は農民所得の向上に寄与することから、貧困削減の為の社会インフラの整備の中でも重要課題とされています。農業生産の増大、多角化を図り、同州の農民所得の向上を図ります。

定量実績
  • 灌漑面積の拡大:39,416ha増加
  • 作付面積の拡大:74,890ha(41,130ha増加)
  • 単位収量の増加:水稲3.5トン/ha(1.5トン/ha増加)
  • 農業生産量の増加:水稲9万トンの増産、野菜28万トンの増産
  • 農家生計の向上:農業粗収入を2倍に
契約期間 2016年7月~2023年7月
主なSDGsターゲット 1.1 1.2 2.1 2.3 2.4
左岸幹線水路に建設された取水施設と灌漑水田
水利組合設立に向けた農家との協議

スーダン国 ダルフール3州平和構築プロジェクト

スーダンのダルフール地域は、紛争や近年の環境悪化の問題からIDP(Internally Displaced Persons:国内避難民)キャンプでの生活を余儀なくされている住民が170万人に上り、対策が求められています。
当社グループのコーエイリサーチ&コンサルティングは、ダルフール3州において、保健、給水、雇用セクターでのパイロットプロジェクトを通じて、行政サービスの能力・仕組みを強化する事業を手がけました。
保健・給水セクターでは、コミュニティ保健委員会および水委員会の規約を整備し、全対象コミュニティ(計54)で女性の委員会メンバーを選定、発言機会を確保しました。雇用セクターでは、ダルフール職業訓練政策の中で女性の訓練を重点分野に位置づけ、各州で女性を対象とした訓練計画を策定しました。
住民ニーズに沿った公共サービスが対象地に提供されると同時に、州政府の行政能力が向上することで、住民の州政府に対する信頼度が向上しています。

定量実績
  • 州保健省と州水公社に対する信頼関係を測る指標で平均点3.3ポイント獲得(4段階評価/エンドライン調査)
  • 各種活動の女性参加率目標(30%)を達成
契約期間 2017年4月~2020年12月
主なSDGsターゲット 5.c 3.c 6.b 8.6 16.6

大滝ダム特定外来生物対策検討業務

奈良県吉野郡 大滝ダム貯水池およびその周辺の特定外来植物(ナルトサワギク、オオキンケイギク)の駆除業務にあたり、対象外来植物の生育特性と、駆除後の植生転換(地域在来植生への遷移促進)を踏まえた駆除・防除対策の全体計画を策定しました。
本計画は、策定後にダム管理者が自ら実施することができる持続可能な管理手法で、現地でのモデル施工にもなっただけでなく、植生転換で使用する材料は、事業地内で採取可能な地域性苗(イワヒメワラビ等)や現地の表土、ダム流木のチップ(ダムに流れてきた樹木を細かく破砕加工したもの)を活用し、環境配慮に加えコスト削減にも配慮しました。
そのほか、対象地域で課題とされているシカ食害の対策となる植栽苗木の保全や、地域への啓蒙資料も作成するなど、地域住民との共存にも貢献しています。

定量目標 当初整備(初回駆除+植生転換)を3ヵ年(2019~2021)で実施したうえで、整備後3ヵ年の駆除作業を継続し、2024年には外来植物の駆除を図る。
計画対象範囲:60箇所(2.1ha)
対象優先箇所:11箇所(1000株以上/箇所)
契約期間 2018年10月~2019年3月(6ヶ月)
主なSDGsターゲット 15.8 15.a
大滝ダム貯水池
外来植物の駆除作業
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