再生可能エネルギーの力を引き出す蓄電池──日本工営エナジーソリューションズとNippon Koei Energy Europeの挑戦

欧州連合(EU)欧州委員会は、再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率化を加速させています。既存の化石燃料由来の火力発電等から、太陽光・風力・水力発電などの再生可能エネルギーへの転換が進んでいます。

再生可能エネルギーの安定供給

自然のエネルギーは気象条件などによって変動しやすいため、発電量の変動を抑え、安定的に電力を供給することが課題となります。再生可能エネルギーの比率が高まるなか、電力系統の安定化に向けて、蓄電池の役割が一層高まっています。2024年4月のG7閣僚会合の共同声明では、蓄電池や水素などの電力貯蔵容量を、2030年までに2022年比で6.5倍に増やす目標が掲げられました。

プロジェクト概要

当社グループは、蓄電池の開発から蓄電所の運営まで、一貫して手掛ける体制を整えています。2018年、ベルギーでアグリゲーション事業を展開する「Yuso BV」と共同でSPCを設立し、欧州における需給調整サービスに参入しました。同年、事業拡大を見据え「Nippon Koei Energy Europe」を設立し、蓄電ビジネスをはじめとするエネルギー関連事業を強化しています。
2021年12月にはベルギー国内で蓄電所の建設に着手し、2023年3月には同国で需給調整サービスの提供を開始しました。英国でも2か所に系統用蓄電所を建設し、そのうち1か所で需給調整サービスを展開しています。

運営中の系統用蓄電池

場所 定格出力/定格容量
ベルギー 1か所 25MW/100MWh
英国 2か所 各50MW/50MWh

日本工営エナジーソリューションズの強み

・エネルギーの技術と土木の知見の融合
当社グループは創業以来、水力発電事業に携わり、開発から設計、製造、建設、運用までワンストップで対応しています。こうした知見が系統用蓄電池の開発にも生かされています。
系統大型蓄電池事業は、系統運用、変電工事、監視制御技術などの複合的な技術が求められます。蓄電所の建設にあたっては、周波数データや電圧、負荷データの分析やメーカーの選定に加え、地盤の性質、電力系統との接続条件、さらには現地の規制・安全基準など、国ごとに異なる要求を踏まえる必要があります。例えば、地盤に関しては、安定し、洪水などのリスクが少ない土地で、変電所に近接していることが望ましいなど様々な条件があります。

・ビジネスモデル
当社グループは、蓄電システムの事業開発から建設、運転までを一気通貫で担い、蓄電所の運営を通じて電力取引市場から収益を得るモデルを基本としています。建設段階では、蓄電システムそのものに加え、土木・電気・通信工事の施工監理を自社で実施できることが強みです。
また、運用段階では、各国の規制当局が数年ごとに電力取引市場に新たな政策を導入し、自由競争を促しているため、必要な要素技術を迅速に調査・実装することが重要となります。当社グループは、機電や電力インフラ、システム制御といった複合領域に強みを持つことから、こうした変化に迅速に対応した技術開発が可能です。

今後の展開

欧州では日本に先駆けて電力市場の自由化が進んでいます。日本工営エナジーソリューションズは、日本国内でも「秋田臨海処理センターエネルギー供給拠点化事業」に参画するなど、欧州の知見を日本の市場で活かしています。
将来的にはアジア市場におけるカーボンニュートラルの実現にも貢献してまいります。

担当者インタビューは以下の動画よりご覧ください。

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