能登半島地震・国道249号の災害復旧に挑む

発生直後に社員が現場に集結、復旧対策を実施

2024年元日に発生した令和6年能登半島地震から、およそ1年半がたちました。最大震度7を観測したこの自然災害は、地割れや土砂崩れ、建物の倒壊、津波などの甚大な被害を及ぼし、石川県能登半島の風景や暮らしを一変させました。

ID&Eグループでは地震発生直後に社員が現場に集結し、復旧にむけた調査や検討に着手。全国から応援要員も加わり、昼夜を問わず緊急作業に当たりました。復旧工事が軌道に乗りつつある最中、豪雨災害という追い打ちに見舞われながらも、能登半島の各地で着実に復旧・復興を進めています。

発災直後、北陸事務所に全国から技術者が集結した

重要インフラの国道249号で早期復旧可能なプランを提案

能登半島を一周する重要な交通インフラである国道249号は、特に輪島市〜珠洲市間の土砂崩落や道路の陥没、隆起が激しく、長く通行止めが続いた場所でした。
日本工営は国土交通省の要請に基づき、国道249号の沿岸部・千枚田工区(約10.5km)の復旧検討を担当しました。

発災後の国道249号

復旧は道路を被災前の状態に戻す「原形復旧」が基本ですが、新たに地震が発生した場合に被災を最小限に抑えるように線形・幾何構造を変更する場合があります。また、復旧に長い時間を要する場合は当面の道路の機能を確保する応急的な道路を構築することがあります。日本工営が担当する工区では、道路脇の斜面が崩壊し土砂が道路を厚く塞いでいる箇所や道路そのものが崩れて通れなくなった箇所が約2kmに亘って連続して発生していました。原形復旧に数年を要することが見込まれたため、早期に通行を確保するため隆起海岸の上に応急道路を通す案を提案し、採用されました。
復旧途中の2024年9月、豪雨により新たに被害が発生し、復旧工事は一時中断を余儀なくされたものの、関係者の創意工夫や地域住民たちの後押しによって工事が再開され、2024年末に全線で開通を果たしました。

隆起した海岸を造成して開通した国道249号の迂回路

新技術も活用、総力を挙げて復旧に取り組む

日本工営は2024年元日に発生した地震災害に加えて、2024年9月の豪雨災害で崩壊した中屋トンネルの復旧等にも、道路、橋梁、防災、地質、交通都市、環境等の各分野の専門家が総力を挙げて取り組んでいます。
また、復旧工事で発生した新たな法面(切土や盛土によって作られた人工的な傾斜地)に対し、藻類で土砂流出を防ぐBSC工法を採用するなど、ID&Eグループの新技術を導入しています。これからもID&Eグループは、品質や生産性の向上、環境・景観保全にも配慮しながら、復旧を進めてまいります。

担当者インタビューは以下の動画よりご覧ください。

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