サステナビリティ関連イノベーション
考え方/方針
ID&Eグループは、経営理念「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」のもと、イノベーションを企業文化の中核に据えています。この理念は、私たちの技術革新への情熱と、社会課題の解決に真摯に取り組む姿勢を支える原動力となっています。
急速に変化する社会環境や複雑化する課題に対応するため、ID&Eグループはイノベーションを持続可能な成長の鍵と位置づけ、独自の価値創出を通じて「世界をすみよくする」という使命の実現を目指しています。コンサルティング、都市空間、エネルギーといった各事業領域においては自律的な運営を行いつつ、グループ全体としてはシナジーを最大化し、サステナビリティ戦略とイノベーションの連携を強化しています。
中期経営計画においても、「サステナビリティ経営の更なる推進」をグループ経営方針の重要な柱の一つとして掲げており、革新的な技術やソリューションを通じて社会課題の解決と新たな事業機会の創出を図っています。これらを通じて、企業価値の持続的な向上を目指すとともに、社会全体の持続可能性にも貢献していきます。
サステナビリティ関連イノベーション方針
サステナビリティ戦略とイノベーションの紐付け
マテリアリティへの貢献
特定したマテリアリティに対し、イノベーションを戦略的に活用することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。とりわけ、「すみよい地球環境の実現」および「誠意と技術を軸にしたグループ経営」への貢献として以下のような取り組みを推進しています。
➡防災・減災に関する技術開発
➡再生可能エネルギー事業の拡大
➡再生可能エネルギー・次世代エネルギーの研究開発
➡「The Good City」プロジェクトを通じた持続可能な都市設計
➡脱炭素化や生態系回復に資するスマートソリューションの提供 など
また、「共創による新たな社会課題への挑戦」においては、異業種連携やAIを活用した先進的な研究開発を通じて、グループの総合力を活かした価値創造を進めています。
イノベーションによるリスク対応と機会創出
ID&Eグループにとってのリスク(規制変更、資源枯渇、気候変動の影響、技術・ノウハウの低下による品質低下、知的財産の侵害など)に対し、先見的かつ戦略的なイノベーションを通じて対応力を高めていきます。同時に、脱炭素化や循環型経済、災害などの新たな社会的・市場的な機会を捉える上でも、サステナビリティソリューションとしてのイノベーションは不可欠な推進力です。2024年に策定した「サステナビリティ経営フレームワーク」では、イノベーションを中核要素として明確に位置づけています。
イノベーションの「源泉」と推進体制
イノベーションは、確固たる文化、体系化されたプロセス、戦略的な資源配分、そして実効性のあるガバナンスによって支えられています。これらが一体となり、持続的な価値創造を可能にするイノベーションを生み出す土壌を形成しています。
イノベーションを支える経営資源
ID&Eグループは、研究開発投資、人財育成、最先端技術の活用、研究基盤、知的財産の戦略的活用を通じて、イノベーション創出を支えています。研究開発への投資では、防災・減災、再生可能・次世代エネルギー、都市空間づくり、AIなどの先端技術を重点分野と位置づけ、マテリアリティに基づく目標水準の投資を行っています。また、イノベーション人財の育成を重要な経営資源と捉え、グローバルに活躍できる専門人財の育成や、グループ内ビジネスコンペ、グローバルアカデミーによる研修を通じて、革新的なアイデアを事業化につなげています。さらに、AI技術推進センターや日本工営中央研究所を中核に、デジタル技術の開発・活用や基礎研究と応用研究を一体的に推進しています。加えて、知的財産の保護と活用を強化し、発明審査会や従業員教育を通じて、技術価値を持続的な競争力へと高めています。
イノベーション推進体制
各グループ会社にてイノベーションを推進する取り組みを実施しているほか、ID&Eの重要会議体の一つである共創戦略会議では、各グループ会社の事業戦略、技術戦略をベースに、シナジーを発揮させ、事業の最適化を図るための連携方策を検討・推進しています。
知的財産の保護と活用
イノベーションを支える知的財産の保護と活用が極めて重要であると認識し、ID&Eグループ行動指針の中で、知的財産の保護・管理と活用により社会の持続可能な発展に貢献すること、また、他者の知的財産権の不侵害について定めています。
体制
ID&Eグループでは、知的財産を重要な経営資源と位置づけ、保護と活用を通じたイノベーション推進に取り組んでいます。主要グループ会社に知的財産窓口を設置し、権利取得・管理、ライセンス対応、侵害防止などを実施するとともに、グループ全体の統括は日本工営ビジネスパートナーズ法務コンプライアンス部が担っています。
発明審査会の設置
ID&Eグループ従業者による発明の奨励等にあたり、職務発明の認定、特許権等の出願・継続等の要否、職務発明の実績報奨算定の審査等を行うことを目的として、主要グループ会社に発明審査会を設置しています。当会は、委員長、委員のほか、社外有識者(弁護士または弁理士)で構成しています。
従業員教育
グループ内では、従業員の知的財産教育を通じて、従業員全体の知的財産に関するリテラシーを高めることが企業の持続的な成長につながると考えており、各種プログラムが実施されています。
特許取得数
現在取得している件数48件
日本工営、日本工営都市空間、日本工営エネルギーソリューションズでは従業者が業務として行う発明(職務発明)を奨励するため、職務発明の出願時、登録時および登録された特許が業務で使用されて利益を得た時、発明者に報奨を支払う制度を運用しています。2024年6月期の報奨対象となったのは特許12件でした。
取り組み
ID&Eグループは、具体的なサービス、製品などのソリューションを通じて、イノベーションを持続 可能な社会の実現につなげています。以下に、主要なイノベーション事例を紹介します。
技術と連携で実現する次世代農業モデル──スマート農業パッケージの挑戦
日本工営エナジーソリューションズは、国内農業が直面する人手不足や気候変動への対応を目的に、「スマート農業パッケージ」の開発に取り組んでいます。統合環境制御システム「a-MAC」を中核に、大学と連携した施設栽培技術を組み合わせ、静岡県掛川市でいちご栽培の実証を進めています。本パッケージは、環境データの可視化と遠隔制御により、農業経営者の負担軽減と安定生産を支援します。遊休農業施設の再活用や新規就農者の参入促進にもつながる仕組みとして、地域農業の持続的な発展に貢献していきます。

サステナビリティテーマ: 脱炭素 地域復興
熟練技術とAIの融合──打撃音で材質を判定するDXソリューション
日本工営は、インフラ点検や施工現場における品質評価の属人性という課題に対し、AIとデジタル技術を活用したDXソリューションを開発しました。岩盤やコンクリートの材質を打撃音で判断する熟練技術者の聴覚的ノウハウをAIに学習させることで、誰でも安定した品質評価を可能にしています。熟練者とAIの判定結果は高い一致率を示しており、現場ではスマートフォンアプリ「DAOOON β版」を通じて直感的にデータ取得が行えます。本技術は、品質の平準化に加え、技術継承や人材不足といった社会課題の解決にも貢献しています。

サステナビリティテーマ: 技術継承 人材不足